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June 22, 2023
2021年~ 2022年にかけて法律事務所は高収益を記録しましたが、状況は刻々と変化しながらも厳しさを増しています。
法律事務所の幹部たちは、現在の経済状況が不透明でインフレ懸念もある中で、コストを抑制しながらも高品質のサービスを提供し続ける必要があり、この二つのバランスを取ることの難しさを痛感しています。弁護士の就業環境やクライアントへのサービスレベルを下げずに、より効率的に業務を進める方法はあるのでしょうか?以下に、法律事務所が業務を強化しつつ収益を上げる5つのヒントをご紹介します。
社内のサポート部門にイノベーション文化を根付かせる
クライアント自身もコスト削減を迫られており、その結果、法律事務所に対する目も厳しくなっています。ここでの重要な基準の一つは、サービスの品質です。もしサポートプロセスが時代遅れで管理不十分な状態であれば、弁護士チームは不満を感じ、成果物の品質にも影響を及ぼす可能性があります。このような状況から、法律事務所のリーダーたちは、サポートプロセス全体を革新することの重要性をますます認識しています。
イノベーションを促進する方法の一つは、専門チームを設置することです。この専門チームは、法律事務所の全体的なパフォーマンスを向上させるために、新しいテクノロジー、プロセス、作業方法を探求する役割を担当します。彼らは新しいアイデアを策定し導入することに集中し、イノベーションを推進します。このように積極的にイノベーションを取り入れることで、法律事務所は将来の課題に対応する体制を整えることができるのです。
法律事務所においても社外のコンサルタントや専門家による既存業務の抜本的な見直しが増えています。このような法律事務所では、業務上の非効率なプロセスを改善するために外部の専門家のアドバイスを求めているのです。その結果、法律事務所のリーダーは管理レベルを維持しつつ、テクノロジーを活用して業務プロセスを強化する方法を取り入れることができます。この取り組みにより、コストを削減し、さらに密接なサポートサービスを構築することができます。最終的には、クライアントの満足度を維持することができるのです。
人材獲得と維持は法律事務所全体の重要課題:人材不足が本業に悪影響を及ぼさないために
人材獲得と維持は、パートナーやアソシエイトだけの問題ではありません。多くの法律事務所がサポートスタッフの獲得と維持に苦戦しています。2021年に米国でPew Research Centerが行った調査によると、仕事を辞める理由のトップ3は、低賃金、キャリアアップの機会の欠如、職場で見下されていると感じることでした[1]。 英国では、PwCの調査によると、労働者の約20%が今後12ヶ月以内に給与アップと仕事の満足度を求めて現在の仕事を辞める予定だと回答しました[2]。 また新型コロナの感染拡大以降、早期退職が急増しています[3]。
近年、異常に高い離職率と人材コストの上昇により、後任者が見つからずにポストが長期間空席となるケースが増えています。このような状況では、予期しない結果が生まれることがあります。特に事務職の人員不足は、弁護士の生産性やサービス品質、業務完了までにかかる時間に悪影響を及ぼし、弁護士やクライアントが不満を抱く可能性があります。
このような影響を軽減する方法のひとつが、テクノロジーを活用し反復作業を自動化することです。 自動化は、リクエストの処理スピードのみならず精度も高めることができます。指示通りに動くテクノロジーと適切な人材を組み合わせることで、一部の反復作業を自動化し、ミスを大幅に減らし、作業時間も短縮することができます。
業務を自動化し反復型作業を削減する方法を熟知している専門家と協働することで、業務コストを削減し、戦略的人材をそのような単純作業から解放し、価値の高い専門的な業務に集中させることができます。
業務は社内で行うという既成概念にとらわれない
コロナ後の法律事務所における課題の一つは、リモート勤務などバーチャルな働き方に対応するために、オフィスの活用方法を再考することが重要なポイントとなります。協働作業の増加に伴うオフィススペースの再構築、出勤スタッフ数の減少に伴うオフィススペースの縮小などは既に多くの法律事務所で対応していますが、サポート業務で利用するオフィススペースについては如何でしょうか?サポートスタッフが地価の高いオフィスで業務を行う必要はあるでしょうか?都市圏外地域や海外でも仕事はできるのではないでしょうか?
オフィスのニーズと高い離職率を背景に、多くの法律事務所がオンショアまたはオフショアのサポートセンターの利用、あるいはその両方を組み合わせた利用を検討しています。このように、オンショアとオフショアの利用を組み合わせることで、オフィスをより適切に配分するだけでなく、人材獲得の意味でも対象を拡大できることになります。
例えばコロナ前では、秘書は弁護士のすぐそばでサポートするべきだとされていました。しかし、サポートの役割がよりバーチャルになり、進化したテクノロジー技術により社内ネットワークへ安全に接続が可能となった今、秘書は、地価の高いオフィスで就業することなくリモートで業務を遂行できるようになりました。
サポートチーム人数の適正化
法律事務所は、人数削減と業務量増加といった経営上のプレッシャーに直面しており、サポートチームの生産性を最大化するためには、適切な体制を整える必要があります。まず、スタッフ数や生産性を把握するためのデータを提供するツールを導入することが重要です。各チームや個人の業務量やタスクの進捗状況をリアルタイムに把握することで、人員配置や作業優先順位の調整など、効果的なリソース配分が可能になります。
また、データ分析を活用することで、チームと個人の生産性を明確に把握することができます。例えば、業務の時間効率や品質、タスクの完了までの所要時間などのデータを分析し、ボトルネックや改善の余地がある領域を特定することができます。効率的なプロセス改善の実施など、生産性向上のための具体的なアクションが取れます。
法律事務所のリーダーは、上記のようなデータを活用し、十分な情報に基づいた意思決定を行うことが重要です。データに基づいた適切な判断を行うことで、各機能に適したサポートチームを構築し、無駄のないチームが最大の効率で機能するようにすることができます。
迅速な支払いを実現するためのプロセスの構築
経費が上昇し利益が低下している状況下において、多くの法律事務所がキャッシュフローの圧迫という問題に直面しています。プロセスの改善によりクライアントからの支払いを迅速に受け取ることができれば、事務所にとって非常に有益です。
迅速な支払いは、正確な請求書の作成から始まります。しかし、法律事務所にとっては、個々のクライアントに合わせた複雑な請求書を作成するという継続的な課題が存在します。多くの事務所では、各チームがそれぞれの担当弁護士やクライアントの法務部門と個別に連絡を取り合い、請求プロセスを進めています。その結果、作業と管理には一貫性がなく、請求書が拒否されたり支払いが遅延したりすることがよくあります。
一方、請求プロセスを改善し成功を収めている法律事務所では、「クライアント中心のモデル」を採用しています。このモデルでは、各クライアントの状況に応じた請求を行います。これにより、事務所の作業と管理に一貫性がもたらされ、請求書の拒否や支払い遅延といった問題を軽減することができます。
ウィリアムズ・リーは、上記のプロセス構築の一例として、AmLaw100(American Law誌の売上高上位100社)にランクインするグローバルな法律事務所のケースをご紹介します。ウィリアムズ・リーは、既存の請求書作成プロセスを顧客中心モデルに変更し、測定可能な成果を達成するためのサポートを行いました。具体的には、既存の請求書作成ワークフローを精査し、他の法律事務所と比較し、個別のベストプラクティスを策定してプロセスの改善点を特定しました。さらに、多種多様な請求システムおよび社外弁護士ガイドラインに対応できるスキルセットを持つ集中管理チームを結成し、正確な請求と金額チェックのプロセスを確立しました。その結果、支払請求サイクルが45日以上から11日に短縮され、売掛金回転日数が60%減少しました。これにより、より迅速に売掛金を回収することができるようになりました。AmLaw100に選出された同事務所のケーススタディをご覧ください。
結論:専門家に重要なサポートを任せることで、長期的な利益を得る
業務コストの削減とクライアントへのサービス向上という二つの目標を同時に達成するために、万能の答えは存在しません。しかし、プロセス改善の方法を通じて適切なバランスを保つことができます。イノベーションを重視する文化を築き、既成概念にとらわれない考え方をすることで、貴社の業務プロセスの問題点を特定できます。反復作業の自動化やサポートチームの適正化、生産性とキャッシュフローに関連するプロセスの改善などを行うことで、収益を増加させるだけでなく、弁護士がクライアントにより早くサービスを提供できるようになります。これらの改善を実施するためには、実績のあるエキスパートと提携することが最も効果的な方法です。
ウィリアムズ・リーは、法律事務所が将来に向けて進化しコア業務に集中できるよう、支援を行っています。詳しくはこちらをご覧ください。
[1] Pew Research Center, Majority of workers who quit job in 2021 cite low pay, no opportunities for advancement, feeling disrespected. Parker & Menasce Horowitz, March 9, 2022
[2] Bloomberg UK, ‘Great Resignation’ in UK Shows 20% Planning to Quit Soon, Survey Shows. Saker-Clark, May 24, 2022
[3] People Management, Brexit exacerbated UK labour shortages, but causes are ‘more complex’, research says. Cholteeva, August 15, 2022